5月になりました
4月に、みなさんが進級、進学してひと月が経ちました。
3月まで学校へ行けなかった人の中には、4月を迎えるにあたってもう一度頑張ろうと決意した人もいると思います。その後どうですか。頑張りが続かなかった人もいるでしょう。学校へ行けなくなってしまった人も、決して悲観することはありません。大丈夫です。少しお休みして、元気を取り戻したらもう一度チャレンジすれば良いのですから。
今回は、頑張り続けるためにどんなことが必要か考えてみたいと思います。
毎年、お正月の2日と3日に「箱根駅伝」が開催されるのをご存知ですか。正式には、「東京箱根間往復大学駅伝競走」と言います。2日間をかけて、東京大手町と箱根町・芦ノ湖の間を往復する駅伝競走です。関東学連が開催する地方大会で、関東の20校が参加します。テレビでの全国中継もあり、今や人気の大会です。箱根駅伝で、最近、上位の常連校となった青山学院大学駅伝部を率いるのは原晋監督。原監督は、青学の監督になるにあたって、それまで常識だった指導法に疑いを持って、新しい手法で部員の指導にあたりました。原監督はたくさんの本も執筆しておられるので、興味のある人は読んでみてください。その中の一冊、「箱根王者・青学のランニングメソッド 自分を変えるカラダが変わる走りが良くなる 1日10分走る青トレ」には頑張り続ける秘訣がたくさん書かれています。その中でも、私が最も大切だと思ったのは、笑顔で走る、楽しく、青学の選手のようにカッコよく走りたいと思いながら走るいうことです。
「モチベーション」という言葉をご存知でしょうか。一時的なやる気、持続的な「意欲」を言います。「内発的動機付け」と「外発的動機付け」の二つがあると言われています。内発的動機付けとは、ある行動が楽しい面白いといった理由で自発的に取り組むことであり、行動そのものが目的になっている。例えば、好きな作家の小説を読む、体を動かしたいから運動するというもの。一方、外発的動機付けとは、何らかの報酬を得るために、または罰を避けるために行動するというもの。親に叱られたくないから勉強するというものです。人間には、報酬や罰に関係なく何かを学習して能力を向上させる、あるいは好奇心にしたがって行動する性質があると言われています。内発的動機付けは、うれしい、楽しいといったポジティブな感覚に繋がるため、より望ましいと考えられます。先ほどの、原監督の指導法は、まさにこの「内的動機付け」を上手に活用した指導法だと考えられます。もちろん、良くできたときのご褒美といった外的動機付が役に立たないということではありませんが。
どんな子どもも、好きなこと、楽しいことには頑張って集中することができます。頑張れないこと、集中できないことを少しの我慢とともに頑張ることができるようになるにはどうしたら良いか。そのためには、我慢して頑張らなければならなかったことを楽しく興味深いことに変える努力が必要なのだと思います。そのために何が必要なのかは、子どもの声に耳を傾けると自ずとわかってくることがあるかもしれません。
(この記事を書くにあたって、前出の原晋監督の著書、及びNewtonの2022年4月号「モチベーションの心理学」を参考にしました。)